フラの豆知識
ワイピオ パエアエア (Waipi‘o Pāeaea)
今度のオリオリフラのレッスン曲は、クアナトレスが自身が育ったワイピオを歌った美しい曲です。
単語や訳の説明は当日お伝えしますが、歌の中に出てくる風景を、前もって共有しましょう。
なにせ私達が踊っているのは、生まれ育っていないハワイ。
今回の曲も、津軽海峡ではなくワイピオ。
行ったことのない場所でも、写真ツアーでワイピオパエアエアの歌の世界を楽しみましょう。
Waipi‘o ワイピオ
ワイピオ渓谷は、ハワイ島北にある水が豊かな緑深い地。
昔は王族だけが住む「王家の谷」で、古代の王達が埋葬されています。
70年前と40年前、津波など2度の大被害の中で死者が出なかったのは、王族のマナ(不思議な力)によって守られたから、と言い伝えられているハワイアンにとって神聖な地です。
Hakalaoa ハカラオア・Hiilaweヒイラヴェ
この二つは、滝の名前です。
緑の断崖に包まれた細く繊細な姿の双子の滝。
全長400mもあります。
右がヒイラヴェの滝、左がハカラオアです。
実際ハカラオアにお目にかかったことはなく、相当な雨量の時にだけ出現する幻の滝です。
Wailoa ワイロア
「長く流れる水」という意味の川の名です。
カメハメハ大王像で有名なヒロのワイロアリバー公園と同名ですが、この歌のワイロアは、ワイピオを流れる大きな川です。
Waima, Kawainui, Ko'iawe, Alakahi
ワイマ、カワイヌイ、コイアヴェ、アラカヒ
ワイロアへ流れていく4つの川の名前です。
~川と書きましたが、地図上は ~streamです。
英語で大きい川はRiver、小さい川はStream。
とはいえ、実はワイロアもストリーム。
リバーかストリームか、サイズ規定があるのか主観(誰?)なのか?
軽く沸いた疑問は、スルーしましょう。
日本では、大地を自然に流れている水は全て、川😊
小川という、素敵な言葉もありますね。
ワイピオ渓谷には、たくさんの小川があるんでしょうね。
Lalakea ララケア
ワイピオ渓谷のず~っと奥にある池の名です。
マウナケアの雪解け水が流れてくるララケアポンズ。
ララケアがこの動画の中にあります⬅
04:50~あたりです。
クアナトレスは、子供の頃ここに飛び込んで遊んでいたそうです。
どんなに冷たい水だったか、この歌の中で歌っています。
冷たいけど楽しい!そんな子供の姿が目に浮かびます。
Umi-a-Līloa ウミアリロア
さびの部分で何度も出てくるこの言葉。
これは地名ではなく人の名です。
「ウミアリロアの地ワイピオ」と歌うこの歌において最重要人物となってきます。
Q. ウミアリロアさんってどなた?
A. リロアの息子のウミさんです。
カメハメハ王がハワイ島を統一する以前、ワイピオに王室がありました。
王様の名はリロア。
リロア王には二人の息子がいました。
長男ハカウ。次男ウミ。
ぶっちゃけウミは、リロア王の浮気相手の子です。
リロア王は、その浮気相手に、自分のパンツ(マロ=ふんどし)と、人の髪の毛と鯨の骨のレイ(その時代の王族が付けていたアクセサリー)を授け、男の子が生まれたら「ウミ」と名付けるようにと告げ、去りました。
おいおい。
浮気相手は、その後別の男性と結婚し、男子を産みウミと名付けました。
そして、立派な少年に育った息子に、母「お前の本当のお父っつあんは王様だよ」とカミングアウト。
ワイピオの王室を訪ねたウミは、証拠品2点の効果で、即認知されました。
が、たまったもんじゃないのは、長男。
お父さん「王は長男」と告げ丸くおさめましたが、リロア王の死後王位についた長男は、暴君で民を苦しめました。
そこで次男は戦いを挑み、長男戦死でウミが王様になりました。
弱者に優しいウミ王は、民に尽くし慕われた善政家でした。
優れた才覚を発揮し、ワイピオ渓谷の農業の振興、職業の専門化を奨励し技術革新を促しました。
外政にも優れマウイ島も統治したウミ王の時代、ハワイ島は全盛期を迎えました。
のちに、カメハメハ王が目指したとされるウミ王。
クアナトレスに今も歌われるワイピオの偉大な王様ウミアリロア。
リロア王の不倫は、エコモマイってことで。
穏やかな大自然に包まれるようなメロディー、ワイピオパエアエア。
子供の頃、水と遊んだ楽しい思い出、その引き出しを開いて、みんなで美しく楽しく踊りましょう!