フラの豆知識

 / 投稿者:池田悦子

Ku'u hoa クウ ホア

クウホアは、フラソングのスタンダードナンバーで、アップテンポの楽しいラブソングです。

開校当初の十数年前、一度レッスン曲として楽しみ、それっきりになっていました。

 

先日、インストラクターから、クウホアを教えたいとのリクエストがありました。

が、このフリはすっかり忘却の彼方で、わたくし、ぽか~んと宙を見つめるばかり。

と、そこはうちの優秀過ぎるインストラクター。

「フリはしっかりノートに記しています。」と!

更には、別のインストラクターの記録とも合わせ、既に完璧なものとなっていました。

ブラボー!

ちょちょっと一緒に復習し、時は当時にワープし、フリは完全に再現できました。


今日からクウホアのレッスンを行うと聞きましたので、この曲について、少しお話させていただきます。

この曲は、80年ほど前(昭和12年)に誕生し、妻に贈られました。

代々ハワイの文化に精通するビーマー家のフランシス・ケアリイノホポノ・ビーマーが、最愛の妻を想い作った曲です。

この曲は、意外や意外、現実的な物語が背景です。

ビーマー夫妻は、ハワイ文化のコンサルタントとしてハリウッドを訪れました。

その時、妻がステイ先の部屋で、夜暗闇の中でベッドに足をぶつけ怪我をしてしまい、1週間ほど歩けなくなってしまい・・・。

夫 「ハワイの山にある我が家に、早く一緒に帰ろうね。」

クウホアは、そんなご夫妻のラブソングです。

 

1番 

ku'u (私の大切な)hoaは、仲間、友、パートナー、同僚を意味しますが、この曲では、「私の妻」になります。

maka onaonaは、情緒的な日本語で言えば「見目麗しき」 奥様自身の魅力を語っていますね。

山に住む(noho i ke kuahwi)夫妻のおうちは、ホノルルでした。

 

2番 

Ho’i maiは、「こちらに来て」ですが、ここでは「帰ろう」と歌っているのでしょう。

「一緒に(no kaua)帰ろう」
私と(Me a'u)寄り添って(e Pili) それが 心からの願い('i'ini a ka pu'wai)

ハワイの家に早く帰りたい気持ちが伝わってきます。


3番

きらめき光る月(konane a ka mahina)が照らし出す(ahu wale)雲の群れ(pae ‘opua)を。

ビーマー夫妻には、5人の子供がいたそうです。

月に映し出された雲に、ハワイで夫妻の帰りを待つ子供達を重ねているのでしょうか。

 

クウホアは、そんなほのぼのとしたご夫婦の思い出の歌です。

「早く家に帰りたい~」な気分は、誰もが知るところですね。

旅先での苦いエピソードをお持ちのかたも、きっと多くいらっしゃるのではないでしょうか?(笑)

私も多々あります。

スムーズにいった旅よりも、思い出に残っているものですよね。

 

この曲が内容に伴わず明るく軽い曲調なのは、この出来事がすぐにご夫妻の笑い話になったから、かもしれません。

ハワイの人のおおらかな笑い声が、歌詞の後ろから聴こえてくるようなクウホア。

 

それぞれのクウホア、楽しんで下さい。